2026年10月15日

こんにちは、井上歯科医院です。
夏の暑さが終わり、過ごしやすい日が増えてきましたね。「食欲の秋」を迎え、美味しいものを食べる機会が増える季節になりました。お食事の際は、食後の歯磨きも忘れずに。
今回は、「歯周ポケットの深さで何がわかる?」のかを、お伝えしたいと思います。歯磨き粉のCMや歯周病のニュースなどで歯周ポケットという言葉を耳にしますが、歯周ポケットとは具体的に何を表すのでしょうか。こちらの疑問に答えたいと思います。
歯周ポケットとは

歯周ポケットとは、歯と歯肉の境目の溝のことを言います。歯周病が進行するとこの溝が深くなると、歯周ポケットと呼ばれるようになります。
健康な歯肉の場合はこの溝は1~2mm程度ですが、歯周病になると深くなり、3mm以上になります。歯周ポケットの測定は、歯周病の進行度合いを数値で客観的に判断できるため、歯周病の診断に欠かすことができない検査です。
・1~2mm:歯肉が引き締まっていて健康な状態です。
・3mm程度:歯肉炎気味ですが、この段階なら健康な状態に戻ることが可能です。
・4~6mm:軽度~中等度の歯周病です。歯周病の治療が必要です。
・6㎜以上:重度の歯周病です。歯の動揺や口臭などの症状もみられます。歯周外科治療が必要な場合があります。
歯周ポケットの深さで何が分かる?
では、歯周ポケットの深さと歯周病の進行具合を具体的にみていきましょう。
1~2mm(健康な状態)

歯周病でなく、歯肉が健康な場合でも歯と歯肉の溝は存在します。1~2mmは生理的な深さで、歯肉が引き締まっていて健康な状態です。現在のケアで充分なので、引き続き丁寧な歯磨きを心掛けてください。
3mm程度(歯肉炎気味)

ほぼ健康ですが、歯周病の初期である歯肉炎の場合もあります。歯肉に腫れや、歯磨き時の出血が見られることもありますが、歯周病の前段階なので、丁寧な口腔ケアにより健康な歯肉に戻すことが可能です。歯間ブラシやフロスなどの補助グッズを使って、通常よりも念入りに歯磨きをすることをおすすめします。
4~6mm(軽度~中等度の歯周病)

歯周ポケットが4㎜以上だと、初期の歯周病が疑われます。歯肉の腫れや歯磨き時の出血に加え、口臭や硬いものが咬みにくい、歯が揺れている、歯が浮いた感じがする、などの症状がみられます。歯と歯肉の境目から膿が出てくることもあります。
6mm以上(重度の歯周病)

歯周ポケットが深くなり、歯周病が進行している状態です。歯のぐらつきがひどくなり、硬いものが咬めない、口臭が強い、膿が出るなどの症状が見られます。歯肉だけでなく、歯を支えている歯槽骨が溶けていることもあり、歯の動揺が目立ちます。このまま放置していると、歯が抜けてしまうので至急、治療が必要です。
歯周ポケットの予防法・治療法
歯周ポケットを作らないためにも、歯周病の予防が大切です。しかし、歯周ポケットが深くなり、歯石が付き、炎症が広がると、歯磨きなどのセルフケアで治すことが難しくなります。その場合は、歯科医院での歯周病の治療が必要です。
歯周ポケットの予防法

歯周ポケットを作らないためには、毎日の丁寧な歯磨きが重要になります。歯と歯肉の境目、歯と歯の間など、汚れが溜まりやすい箇所を重点的に磨きましょう。歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやフロスの併用もおすすめです。
ポケットが3㎜程で浅く、炎症が歯肉に限局している歯肉炎の場合は、セルフケアで健康な状態に治すことが可能なので、歯肉が腫れている、歯磨き時に出血が出るなどの歯肉炎のサインを見逃すことなく、歯磨きを丁寧に行いましょう。
歯周基本治療

歯周基本治療とは、歯科医院でプラークや歯石を取り除いたり、歯周病の検査を行うなど、お口の中をキレイにする基本となる治療のことです。歯科医院での定期健診では歯周基本治療を行い、日頃の歯磨きでは落とせない深い部分の汚れを落とすことができます。
歯科医院でのプロフェッショナルケアでは、超音波スケーラーで汚れや歯石を落とし、ブラシやチップで歯の表面をツルツルにして汚れを付きにくくします。この治療を行うことで、軽度~中等度の歯周病なら治すことができます。
歯周外科治療

歯周病が進行し、歯周ポケットが6mm以上であったり、歯槽骨の吸収が見られる場合に行う外科治療のことです。歯周ポケットが深いと、器具が歯周病の奥まで届かず、奥深くの歯石や汚れを取り除くことができません。そのため、歯肉を切り開いて、歯周ポケットの奥深くにアプローチするフラップ手術を行うことがあります。また、溶けてしまった骨や歯周組織の再生を目指す歯周組織再生療法や、歯肉が下がってしまった部位に行う歯周形成手術なども行います。
まとめ
歯周病は予防することができ、早期発見・早期治療で重症化することを防ぐことができます。歯周病の原因は、磨き残し、歯石、喫煙、糖尿病などの全身疾患などたくさんありますが、直接的な一番の原因は歯の汚れです。毎日の丁寧な歯磨きによって歯周病は防ぐことができるので、歯磨きを頑張りましょう。歯磨きに自信が無い方は、歯磨き指導や磨き残しのチェックなどを当院では行っているので遠慮なくご相談ください。また定期健診では、歯周病のチェックやプロフェッショナルケアによる歯のお掃除などを行い、歯周病の早期発見・早期治療をすることができます。歯周病を防ぐためには歯磨き・定期健診が基本になります。ご自身の歯を守るためにも、歯周病予防に力を入れましょう。